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ぼくの大好きな奥さん③ 大根とレタスを4時間かけて買うUX

 ぼく(奥さんの話をするときの主語はぼくになる)は奥さんが大好きだ。 

ぼくの奥さんは中学時代の同級生で、大学生のときに再会して、それからぼくの片想いがはじまり、
17年越しのアプローチが実を結んで2017年9月に入籍。
2018年12月には娘も生まれて、気づけば娘が1歳になった。1年が経つのはあっという間だ。

気づけばぼくも12月28日で40歳。ナイスミドルど真ん中でありたいものだが、とりあえず右膝が痛い。
なぜって右膝の半月板が割れているからだ。もう6年くらい割れっぱなしだ。

それはさておき、ぼくの奥さんは買い物が大好きだ。 とくにお得品には目がない。
浪費を好まないので、同じものが少しの労力で安く買えるならば、遠出もいとわない。

たとえば茨城県にある実家近くのスーパーで安売りがあると、
港区から車で90分かけてそのスーパーへ買い出しに出かけるくらい好きだ。
安売りされているのは、大根とかレタスなど野菜が多い。

なお、我が家は車をもっておらずカーシェアリングを利用するのだが、
利用代金が大体5,000円。高速を使うので高速代が往復で3,000円くらい。合計8,000円くらいの出費が発生する。

 仮に大根が40円くらい安い場合、大根を200本購入すれば元がとれる。
レタスが50円安い場合は、レタスを160本購入すれば元がとれる。

しかし、大体買うのは大根とレタスをそれぞれ1本ずつ。計算が合わない。
一度、この問題について議論をしようとしたが、鋭い眼光で一蹴された。

 もちろん運転はぼくだ。 少しの労力で安く買えるならば、遠出もいとわない。
そう、往復3時間の運転など大した労力ではない。少しの労力だ。    

 そうだっけ?

ここでぼくは考えた。
トータルコストだと確実に見合わない。

労力も結構かかっている(主にぼくの労力)。

しかし、定期的に実家近くのスーパーで買物をしたがる奥さん。
何か理由があるに違いない。

もしかするとこれは、 

「わざわざ実家近くの西友まで行って、買い物しているという体験が楽しい」  

 という事なのかもしれない。

買い物好きがたどり着いた境地。
店舗内で買い物する楽しみだけでなく、スーパーに向かうプロセスまで楽しもうという貪欲さ。
大根とレタスを1本ずつ購入するために費やす時間は合計4時間。何という贅沢な時間の使い方。

いつも何かに忙殺されている現代人へのアンチテーゼ。
これはもはや、まったく新しい買い物体験の提案なのだ。

 うーん、深い。難しい。無理があるよこの解釈。
それでも、こんな摩訶不思議な奥さんが、ぼくは大好きなのだ。   

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執筆者

中野 崇のアバター 中野 崇 ビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナー

・法人向け:新規事業開発と組織開発の伴走型・自立支援型コンサルティング
・個人向け:自分らしいキャリアデザイン支援(コーチング)
・モットー:家事育児、ときどきビジネスデザイナー
・抽象概念と具体的施策の間をつなぐ実践知の体系化が得意
・好きな漫画:「うしおととら」「キングダム」「清く柔く」 など

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