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【ビジネスプロデューサー③】#1 結局、行動力がもっとも重要である

目次

ビジネスプロデューサーのコアスキル #1 行動力

最初は、ビジネスプロデューサーのコアスキル「①行動力」だ。
私のビジネス経験を振り返っても、結局、
ビジネスの目的・目標達成にもっとも重要だったのは行動力だったと思う。
さらに自分に自信やスキルが身についてから行動するのではなく(もちろんそれでも良いが)、
スキルがなくても行動できることが非常に重要であり、行動力にまさるスキルはないとも言える。
挑戦する勇気と言い換えても良いかもしれない。

たとえば「どのようにスキルアップすれば良いかわからない」という問題を抱えているならば、
ちょっといいなと感じているスキルが必要な業務を実際にやってみる(やらせてもらう)、
そのスキルをもっている人の話を聞いてみるなど何かしら行動することが大切だ。

行動するということは何かを実際に経験するという事であり、
経験は新しい考え方の獲得やスキルの種を植えつける機会になる。

スキルは再現性が担保された技術だが、スキルの種は、再現性は不安定だが
何を・どうすれば良いかは何となく理解できている状態の技術を指す。

実践を繰り返すことで、スキルの種は再現性が担保されたスキルへと育っていく。
さらに、経験することで自分の好き/嫌いや合う/合わないが判断しやすくなり、
「何をわかっていないのか」「自分が何をわかるべきなのか」なども理解できるようになる。

行動力しか武器がなかった上海での新規事業開発

私の例でいえば、行動力の重要性がもっとも発揮されたのは、上海での新規事業立ち上げである。
日本でもグローバルビジネスが当たり前になるだろうという考えから、
漠然と海外赴任に興味をもっていた折に、中国・上海で新しい支社&事業を0から立ち上げるプロジェクトが
動くという話を聞きつけた。ビジネスオーナーは当時の副社長。

当時の私は英語も中国語もできないし海外ビジネスも新規事業も未経験。
それでもこの機会は自分を大きく成長させるに違いないと直感した私は、
ビジネスオーナーである副社長に「プロジェクトに入れてください」と直談判。

副社長と面と向かって話したのはこの直談判が初めてだったが、その行動力が評価されたのか、
晴れて2ヶ月後に営業・マーケティング・プロダクト開発の責任者として参画が決定。2011年のことだ。

中国で支社や事業を立ち上げることはもちろん、
マーケティングもプロダクト開発も営業以外はすべてが未経験。社内にも知見はほぼ皆無という状況。
はじめてだらけのミッションだったが、中国進出コンサルと名乗っている人に片っ端からヒアリングする、
WEBサイト・デジタルマーケティングに詳しいパートナーを探して色々と教えてもらう、
システム開発のプロジェクトマネージャーやエンジニアへ徹底的に質問するなど、
とにかくがむしゃらに行動した。もちろん並行して営業活動を行って売上もつくりながらだ。
ものすごく大変だったが、が動けば動いた分だけ「何をわかっていないのか」
「自分が何をわかるべきなのか」が明確になり、その後の行動の質が高まったし、
この時の圧倒的な行動量が私に多くの経験とスキルの種をもたらしたと実感している。

ファーストペンギンになって経験報酬を得よう

上海赴任後もはじめての動画制作・はじめてのオウンドメディア開発・はじめてのSaaS型事業開発、
はじめてのビジネススクールの客員教授・はじめての代表取締役など数多くのはじめてがあり、
今でも「はじめて」が起こり続けている。
このはじめてを生みだすキッカケはすべて行動力だ。

自分の「ちょっと興味ある」「ちょっとやってみたいかも」という感覚を大事にして、とりあえず行動する。
実際にやってみる。そのように行動し続ければ「はじめて」が生まれ続けて、
そこから必ず何かしらの学びや気付きを得られるものだ。

書籍やWEBなど活字からのインプットも重要だが、行動・経験から得られる学びを超える事はない。
行動すれば、その場にいる人たち同士で何かしらの影響を与え合うので、
物事が動き出すキッカケがうまれる。

闇雲に行動しているだけでは、効率が悪くていたずらに時間や体力を消耗するのも事実だが、
行動した後に「その行動で良かったのか・次はどう行動すると良さそうか」を簡単に振り返る習慣を
もっておくだけで、行動の質が大きく改善されていく。

それに、闇雲だとしても一定の行動量を超えると、
量が質的向上を生むという量質転換が必ず起こるので安心して行動しよう。

不思議なもので、そうやって行動し続けていると、過去の行動が起点となって自分でもまったく
意図しないチャンスが巡ってくるようになる。よく言われている表現だが
「点と点がつながって線になり、やがて面になっていく」。本当にそのような感覚なのだ。

また、社内に前例やノウハウがない業務や世の中に成功事例が少なく先行き不透明なミッションを
最初に経験することは、学びの最大化という観点では非常に重要だ。

「ファーストペンギンであれ」ということだ。

ファーストペンギンは「前人未到でリスクがある新分野に挑戦する人」のような意味だ。
常に集団行動をするペンギンは、餌をとる際にはじめはお互い「お前が行けよ」と牽制し合うような
仕草を見せているものの、最初の1羽が海に飛び込むと堰を切ったように次々と飛び込む。
海の中にはペンギンの天敵であるシャチやアザラシがいるかもしれないが、
陸上からは決してわからず、海に入って確かめるしかない。

そのような状況下で、最初の1羽が勇敢に飛び込んで道を切り拓き、後人が付き従う。
こうしたペンギンの習性が、
人間からすると「先行き不透明な状態でも果敢に行動を起こせる人を象徴している」ように見えることから、
ファーストペンギンという言葉がビジネスシーンでも使われています。

何が起きるのかわからない所に最初に飛び込むのは怖いもの。誰だってリスクを考えてしまう。
しかしリスクと同じくらい誰も見たことがないチャンスが広がっている可能性もあり、
最初に飛び込めばそれを一番早く手にすることが出来る。

先陣を切り続けていたら、間違いなく誰よりも先に・誰よりも多くさまざまな出来事に遭遇する。
経験することができる。短期的な果実は不確定でも経験値の獲得は保証されているため、
学びという観点ではリスクがなく、中長期的には必ず自分に良い影響を与えてくれる。

それに、会社員としてのあらゆる挑戦は起業ほどリスクが大きくなく、
ペンギンのように失敗したら喰われて死ぬ事もなければ、破産に陥ることもない。
せいぜい左遷・低評価・冷たい視線をもらう程度。
一時的には苦しい状況・心持ちになる事もあるけれども、まぁ気にしないで良いレベルだ。

自分への中長期投資としては、経験を買うことがもっとも時間対効果が高い。

行動力は、ビジネスプロデューサーだけでなくあらゆるビジネスパーソンに最重要なスキルだが、
行動のキッカケは「やらなければならない」よりも、
「やりたい・やってみたいかも」という自分の好奇心に根ざしている方が良い。
その方が間違いなく長続きする。

スキルアップ・キャリアアップは長期戦なので、行動も継続できることが重要だからだ。
圧倒的な行動力を維持し続けられるスキルがあれば、他のスキルは小手先同然。

大抵のことは何とかなる、と心得ておこう。

それではまた。

❏書籍紹介
ビジネスプロデューサーの仕事を、新規事業開発の企画プロセスと重ねて解説しています。
よろしければ手に取ってみてください。
>>『多彩なタレントを束ね プロジェクトを成功に導く ビジネスプロデューサーの仕事』

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