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【新規事業開発の企画②】結局、新規事業にはWillがもっとも重要

前の記事では、新規事業の目的をチームで確認すること、その目的をオーナーと握ることの
重要性をお伝えした。

次にやるべきことは、
その目的達成に対する「意志や情熱」がどのくらい自分にあるか、チームにあるかを確認することだ。

目次

新規事業開発でもっとも大切な「Will」

まずは、個々人が本当に自分はこのミッションをやりたいと思っているのか?を「内省」して欲しい。
その後に、それぞれの意志や情熱を率直に共有し、「共感」しあって関係性を深め、
チームの意志の総量を明確にしていく。

意志の総量は多いに越したことはないのだが、少ないときもある。意志の総量は車でいえばガソリンだ。
保有しているガソリンの量で走行可能な距離が決まるため、ガス欠が起きる前にこまめな休憩が必要だな、
数カ月は一気に走り抜けられそうだなのように、推進スピードの検討に反映していく。

またWillと合わせてCan(できること)とKnow(知っていること)も確認する。
Willがガソリンならば、CanやKnowはエンジンである。

基本的にチームメンバーのWill/Can/Knowの足し算掛け算が、チームで実現可能なパフォーマンスとなる。
Will/Can/Knowの把握方法については、以下の記事で解説しているので詳しくはそちらご確認して欲しい。

Will(情熱や意志)が重要だと伝えると、「結局は根性論か」と感じる方がいるかもしれないが、
本当に重要なのである。
このブログで新規事業開発・新規事業企画のアプローチについて伝えていくが、
アプローチやポイントを知識として知っておくことは重要である。
適切な知識がなければ、効率的に・効果的に物事を進めることはできないからだ。

しかし、適切な知識はあくまでスタートラインに立つための準備のようなもので、
実際に新規事業の開発・企画がスタートしたら、事前知識の範疇外のことばかりが起こり、
さまざまな問題への検討・判断・軌道修正・行動が必要になる。
新規事業開発は想定外の出来事が起きることが日常なのだ。

想定外の出来事は個別性も高く、身の回りはもちろんのこと、世の中にも答えがない事がほとんどだ。
上司も同僚も、専門家も外部パートナーも、メンバーも誰もが答えを知らない。
想定外の物事が立て続けに起きると、プロジェクトのメンバーや関係者が疲弊してくる。
また、実際に問題が解決されなければ硬直状態が続いて、プロジェクトがスタックする事もある。

ビジネスプロデューサーとして新規事業開発をリードするあなたは、
そのような状況下でも、問題解決を行って、プロジェクトを前進させねばならないのだ。

もちろん、あたなだって答えはわからない。初見の出来事だらけだ。
しかし進まねばならない。だから、強いWillが必要になるのである。

・絶対にこの事業を立ち上げたい
・答えはわからなくとも、ヒントは必ずどこかにあるはずだ
・何はともあれ、進もう。先頭は私が走る
・間違っいたら、また別のやり方を試して進めば良い

そのような強い気持ちを持てているチームが、問題や困難を超えていける。
したがって、新規事業開発においては自分がそのような強い意志を持てそうか?
しっかりと確認する必要がある。

もし、強い意志を持てそうもなかったら、意志を持てる企画内容に変更するか、
そのプロジェクトへの参加を自粛した方が良いだろう。
意志がなければ、絶対にそのプロジェクトは成功しないからだ。

新規事業の企画はどれ位で仕上げるべきか

Willと同じタイミングでWhen(時期)も確認しよう。
新規事業であればリリース希望時期が大雑把にはあると思うので、逆算して初回プレゼン日時を決める。
理想はミッションが発生してから3ヶ月後、遅くても半年後にはプレゼンテーションを行うと決めて欲しい。

新規事業は手探りで進むので、ついつい慎重にリサーチや企画をしてしまうものだが、
検討に時間をかけている間に競合が先にビジネスを始めてしまったり、事業環境が変化して検討が
やり直しということの起こる。

したがって、いたずらに企画検討に時間をかけるよりも、早く世の中にだして実際に顧客のフィードバックを
得ながら事業やプロダクトを改善していく方が有効だ。
企画ではなく「実際の事業を」、環境に合わせて柔軟に適応させていくのだ。

ミッションが発生してから3ヶ月後、遅くても半年後にはプレゼンテーションを行うことを、
ぜひ意識して欲しい。

それではまた。

❏書籍紹介
ビジネスプロデューサーの仕事を、新規事業開発の企画プロセスと重ねて解説しています。
よろしければ手に取ってみてください。
>>『多彩なタレントを束ね プロジェクトを成功に導く ビジネスプロデューサーの仕事』

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執筆者

中野 崇のアバター 中野 崇 ビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナー

・法人向け:新規事業開発と組織開発の伴走型・自立支援型コンサルティング
・個人向け:自分らしいキャリアデザイン支援(コーチング)
・モットー:家事育児、ときどきビジネスデザイナー
・抽象概念と具体的施策の間をつなぐ実践知の体系化が得意
・好きな漫画:「うしおととら」「キングダム」「清く柔く」 など

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