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【ビジネスプロデューサー⑱】#8/#9 プロジェクトマネジメント力/包容力

ビジネスプロデューサー①~⑰の記事で伝えてきたビジネスプロデューサーのコアスキルは、
管理職になる前のプレイヤー時代に身につけておくのが理想である。

管理職になると、自分が実行責任者ではない業務の品質管理や推進支援をする機会が増える、
#1~#7のコアスキルが不十分だと、適切な支援やFeedbackを行うことができない。

また、DX新規事業開発のような不確実性が高いミッションを少数精鋭のチームで遂行する場合、
責任者や管理職もプレイヤーとして高いパフォーマンスを発揮できないと、業務が回らない。

また、DX新規事業に限らず緊急事態や困難な局面に直面したときに、
責任者がプレイヤーとして一緒に汗を流して問題解決してくれるのは大きな戦力だし、
メンバーとの信頼関係も深まる。何より格好いいと思う。
反対に、長らく管理職におさまり過ぎて手足が動かなくなり、
実務で問題解決に貢献できない管理職は信頼を失いかねません。

プレイングマネージャーが良くないという主張もあるが、
管理職がマネジメントに専念した方が良いのは事業が安定成長期にあり、
管理・維持業務を正確に回すことが組織のパフォーマンス最大化につながる時のみである。
加えて、企業体力やリソースに余裕がある組織であることが前提になるります。

DX新規事業や組織変革のような難易度や不確実性が高いミッションや、
スタートアップのように成長スピードが速くて常に人手不足のような企業では、
責任者や管理職は常に先頭を走って道を切り開く役割を果たすべきであり、
むしろプレイングマネージャーでなければならない。

そして、ビジネスプロデューサーを志す人は、
生涯プレイングマネージャーであり続ける意志をもって貰いたいと思う。

目次

ビジネスプロデューサーのコアスキル⑧ プロジェクトマネジメント力

さて前置きがやや長くなったが、8つ目の統合スキルはプロジェクトマネジメント力である。
プロジェクトマネジメント力は業務のQCD向上や組織のパフォーマンス最大化を実現するであり、
単一のスキルで構成されるものではなく、極めて複合的なスキルだ。

既に皆さんお気づきだと思うが、①~⑦の複合スキルがプロジェクトマネジメントスキルに通ずる。
①行動力(経験)、②重層的な知識(探究心×好奇心)、③柔軟な思考力(ロジカルシンキング×想像力)、
④チームビルディング力(内省力×共感力・傾聴力)、⑤方向づける力(課題設定力×解決策の着想力)、
⑥会議運営力(会議設計力×ファシリテーション力)、⑦伝達力(言語化力・図解力×ストーリーテリング力)の
合わせ技だ。

それぞれのスキルが高まればプロジェクトマネジメント力は高まり、
複数スキルが高まればそこに相乗効果が生まれてプロジェクトマネジメント力は大きく高まる。

このプロジェクトマネジメント力は、とても1つの記事でポイントを解説しきれないので、
以下の書籍・記事などを参考にしてもられればと思う。

●ビジネスプロデューサーの7つの統合スキル解説では触れられなかったものの、
 プロジェクトマネジメント上では重要な点の補足解説は以下書籍を参考に。
 >>『多彩なタレントを束ね プロジェクトを成功に導く ビジネスプロデューサーの仕事(書籍)』

●プロジェクトマネジメント力と関連性が深い、マネジメント・管理職の基本は以下記事を参考に。
 >>マネジメント・管理職の基本(ブログ記事)

ビジネスプロデューサーのコアスキル⑨ 包容力

いよいよビジネスプロデューサーの最後のコアスキルである「包容力」の解説だ。
1~8のスキルを身に付けていれば、かなりの確率で組織のパフォーマンスを最大化できるが、
実際にはスキルだけでは何ともならないような事も発生するし、
チームやプロジェクトが良い状態に変化するには時間も必要になる。

そのような時は、焦らずどっしりと構えて、
多様な可能性が相乗効果を発揮するまで粘り強く、温かくチームに働きかけられる包容力が重要になる。

また、多様な人材・価値観・意見がチームに存在していても、
チームや場の雰囲気が自由な発言をうながすものでなければ多様性が出現することができない。
多様性の出現には風通しの良さ重要であり、チームやプロジェクトにおける風通しの良さは
ビジネスプロデューサーの包容力の影響が最も大きいと感じている。

リーダーシップや人間力という言葉に置き換えても良いのかもしれないが、
リーダーシップや人間力は資質やスキルの複合的な結果で養われるものなので、
個別スキルとしての習得可能性を感じられる言葉・概念を追求した結果、包容力にたどり着いた。
「懐の深さ」と言っても良いと思う。

何でも温かく受け止めてくれる人には、さまざまな人や物が集まって来る。

私自身の過去を振り返っても、自分のパフォーマンスが最大化されていた時の上司は、
皆さん懐が深くて包容力がある方だった。
反対に、能力発揮度が低くなったのはマイクロマネジメントを行う方が上司だった時である。
マイクロマネジメントの根っこには部下やメンバーへの不安、失敗への恐れがある。
包容力はその裏返しで、メンバーへの信頼や失敗を失敗ととらえない(失敗は成長の糧として捉える)
メンタリティが存在している。

誰だって失敗は怖いものだし、大きな責任を負えば負うほど不安も大きくなる。
しかしどのような状況下でも多様性あるチームの可能性信じて、
粘り強く温かく働きかけ続ける包容力を持てるかどうか。
それが、ビジネスプロデューサーとして大成するかどうかの分かれ道なのだ。

私も包容力がまだまだ足りないなと自覚しているので、
毎月のコーチングで自分の成長課題に定めて振り返りを続けている。
手強い課題になりそうだが、焦らず、着実に身につけていきたいと思っている。

さて、ここまでの記事(ビジネスプロデユーサー①~⑱)で、
ビジネスプロデューサーの9つのコアスキルを解説してきた。

各スキルを論理優位×情理優位を活用した統合スキルとして(多少強引に)位置づけたのは、
両利きになるという点を強く意識して頂きたかった為である。

方向づける力や伝達力が象徴的だが、課題設定だけ上手くても解決策が見つけられなければ、
ビジネスの目的・目標が達成される事はないし、言語化・図解を駆使して素晴らしい資料をつくっていても
ストーリーがなければ人を動かす事はできない。どちらかだけでは不十分で、どちらも重要なのだ。

すべての統合スキルでトップレベルを目指す必要はないが、
まずは自分が興味ある・やれるようになりたいと感じたスキル(感じるが重要!)を1つ2つピックアップし、
所属部門で第一人者になることを目指すと、地に足ついた目標設定になる。

スキルは書籍を読んで知識を得ただけで身につくことはなく、実践で訓練してこそ身につくものだ。

スキルアップ・キャリアップは短距離走ではなく長期戦だ。
自分らしい豊かなキャリア実現は終わりなき旅でもある。いつまでも終わらない苦行・・・ではなく、
いつまでも楽しめる愉快な航海。そんな軽やかな心持ちで着実に確実に実践を積み重ねていただき、
最終的に皆さんのキャリアが豊かになることを願っている。
 

それではまた。

❏書籍紹介
ビジネスプロデューサーの仕事を、新規事業開発の企画プロセスと重ねて解説しています。
よろしければ手に取ってみてください。
>>『多彩なタレントを束ね プロジェクトを成功に導く ビジネスプロデューサーの仕事』

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