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【マネジメント・管理職の基本①】管理職の心得

管理職ならば誰でも一度は思うこと。

「マネジメントって難しい」「マネジメントって面倒くさい」「結局、マネジメントって何をすれば良いの?」
という疑問。しかし、マネジメントの実務的な方法論は学ぶ機会が少ないのが実態だ。

したがって、マネジメント・組織開発のブログ記事でマネジメントの基本や要点を伝えることで、
これら疑問を解消し、管理職としてのスキルアップ・キャリアアップのヒントを提供したいと思う。

目次

私のマネジメント・管理職歴

私は1社目が店舗勤務だったこともあり、新卒のころから10名を超える部下を持っていた。
そこから色々なご縁や運が重なり、40歳で従業員数200名を超える会社の代表取締役も務めさせて貰った。
マネジメント人数は延べ500名を超え、課長・部長・本部長・執行役員・取締役などの職位もすべて経験した。

しかし、それは苦労の連続でもあった。
人事が提供するマネジメント研修は概念論的なもので、実務で活かしにくいものが多かった。

所属企業がベンチャー企業だった故なのか、個人の成長意識が強い人材や優れた戦略家などは数多くいたが、
マネジメントとして組織開発・人材開発・人材育成を重視し、組織基盤の強化に長けた人材は少なかった。

誰も「マネジメントかくあるべし」「部長かくあるべし」という事を教えてくれないし、
マネジメントを教わる機会は非常に少なかったので、独学で必死でマネジメントを学び続けてきた。
もちろん今でも学び続けているし、現場で実践もしている。

そして最近になってようやく、「マネジメントの要諦はこれなのでは?」というモノが自分なりに見えてきた。
実際、私が社長に就任して1年目で、売上・利益・顧客満足・従業員満足のすべての数字が大きく改善。
結果が伴っている実感もある。もちろん失敗もあったが、自分でも良い結果を残せたと思う。

さらに自社の管理職20名ほどに対して、毎月90分ほど、1on1・1on3の時間を確保してマネジメント力を
高めるOJTも行った。質問も活発にでるし、現場の管理職が悩んでいることに直接アドバイスできるので、
とても良い時間になっている。自分が積み重ねてきた15年間の学びに価値があることを実感している。


それで勢いがついたこともあるし、もっと世の中に貢献したいという思いが強くなったことも重なって、
自身のの学びを「マネジメントの基本」として多くの人に届けていくことにした。

世の中は専門家がもてはやされているけれど、社会の問題・課題が複雑化している時代では、多くの専門家が
チームで問題解決をすることが大切
で、チーム・組織をまとめて率いていくにはマネジメント力が不可欠だ。
また雇用の流動性が高まり、一定の人が入れ替わる前提で組織運営をしなければならないが、
ここでもマネジメント力が必須となる。前者がプロジェクトマネジメントで、後者はピープルマネジメントだ。

他にもタスクマネジメント、戦略マネジメント、ビジョンマネジメント、セルフマネジメントなど、
マネジメントすべき対象は本当にたくさんある。
それぞれにマネジメントのコツがあるが、正しいやり方を学べば、マネジメント力は絶対に向上する。
マネジメントは簡単!などと気軽にいうつもりはないが、力を高めることは絶対にできる。

マネジメント力は組織で働く価値を高める

そして、マネジメント力を身につけるとチームや組織で仕事をすることが楽しくなる。
個人事業やフリーランスとして働く方も増えているが、現在も今後も、多くのビジネスパーソンは引き続き
組織に所属しながら働いていくことだろう。組織ではたらく意義はチームで、組織で成果をだせること。
だから、マネジメントスキルが重要になる。

せっかく組織で働くなら、チームで楽しく働いて、チームで成功をわかちあいたいと誰もが思うだろう。

さて、一口にマネジメントといっても果たすべきことは数多くあり、
職級によっても必要な役割・責任は違ってくる。
課長・部長・執行役員・取締役・社長それぞれで当然だが期待役割が違う。

一方で、すべての管理職に共通する心構えや役割というモノもある。
ここからは、私の実体験として感じている管理職の心構えをお伝えしたい。

管理職が行う人事考課は部下の人生を左右する

管理職の役割・業務といえば、部下の育成やモチベーション管理・労働環境や労働時間の管理・経営メッセージ
の伝達などが挙げられるが、とくに重要な業務は人事考課だ。

人事考課を通して、部下の業績達成度や成長度をふりかえる。目標を達成していれば高い評価となるし、
スキルや仕事への取り組み姿勢に改善がみられたならば、もちろん褒める。
人事考課は通常業務のFeedbackとは違った観点で、部下と本質的な会話ができるたいせつな時間でもある。
本質的な会話の積み重ねが信頼関係をつくっていく。

そして人事考課の結果、部下の給与が上がったり下がったりする。
誤解を恐れずにいえば、お金のために働いていない人はいない。お金がすべて、と考えている人は多くないが、
自分の成長や楽しみのため、家族を養うため、あるいは誰かを救うため。
さまざまな理由で人はお金が必要になる。お金がいらない、という事はないのだ。

人事考課の結果というのは、そんな大切なお金を決める大切な管理職の仕事だ。
人事考課は部下の人生を左右する。考課とはそれくらい重い意思決定なのだ。

自分の1回の考課が、部下の成長をとめて腐らせてしまう事もあれば、大きく飛躍するキッカケにもなる。
私自身も納得いかない考課で給与が下がり、しかもフォローアップが無かったことで腐りかけたことがある。
結果として上司に不信感をもってしまった。

反対に、自分の想像を超えるほどの評価をもらい、自然に感謝の気持ちでいっぱいになった事もある。
その考課がキッカケで成長が加速し始めた経験もしており、当時の上司は恩師だと思っている。
心から感謝している。

1つの考課は、それくらい部下の人生や心に影響を与えるものだし、
モチベーションマネジメントの観点からも非常に重要だ。

マネジメント・管理職の心構えとしてもっとも重要なこと

管理職の心構えとしてもっとも重要なのは 「人事考課は部下の人生を左右する重い意思決定」と認識する事だ。

だからこそ、部下のことを丸ごと理解し、適切に目標を設定し、継続的に達成支援を行う。
そして四半期・半期・年間など節目ごとにその達成状況を客観的に、厳格に評価する。
もちろん評価の理由は論理的に説明する。

「まぁよくやったと思うよ」「ちょっと物足りなかった」という総論や印象で考課をしてはいけない。
面談でこういったフレーズが登場する事は仕方ないし、必要なときもある。
ただ考課点に関しては、客観的に・論理的であることが絶対に必要だ。

管理職ならば何よりもまず、この心構えをもって欲しい。
私はこの心構えがない管理職を管理職としては認めない。

心構えが整っていない管理職が、本質的なマネジメントスキルを身につけるのは難しいと考えている。

それではまた。

管理職になったら最初に知って欲しいことを「マネジメントのコツ」として
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執筆者

中野 崇のアバター 中野 崇 ビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナー

・法人向け:新規事業開発と組織開発の伴走型・自立支援型コンサルティング
・個人向け:自分らしいキャリアデザイン支援(コーチング)
・モットー:家事育児、ときどきビジネスデザイナー
・抽象概念と具体的施策の間をつなぐ実践知の体系化が得意
・好きな漫画:「うしおととら」「キングダム」「清く柔く」 など

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